大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ネ)1328号 判決

控訴人は本件手形は振出行為の完了しない未完成手形であつて、控訴人不知の間に流通におかれたもののように主張しているけれども、本件手形が控訴人から田中藤作を介して後藤安造に交付されたときは、本件手形の要件中受取人を除いて悉く記載せられ、印紙を貼用し、これに控訴会社専務取締役の印顆をもつて消印せられていたことは前掲甲第一号証、原審証人後藤安造、林俊治の各証言を綜合して認められるから、本件手形は未完成手形として流通におかれたものではなく、金融が得られる場合に受取人を補充する権限を金融仲介者に与える趣旨の白地手形として振り出されたものと認めるのが相当であつて、たとえ本件手形を入手した金融仲介者に補充権の乱用の事実があつても、被控訴人が悪意または重大な過失で本件手形を取得したことの主張立証がないから、控訴人は補充権の乱用の事実をもつて被控訴人に対抗し得ないものである。

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